有機的な3つの屋根面による住と工に馴染む佇まい

計画敷地は新しい住宅地と工業地域の境目に位置しており、東南は戸建て住宅に、西北は工場と倉庫群に囲まれている。小学生が通学する風景の中に無機質な工場が建ち並ぶ、そんな日常的な生活の風景と産業的な風景が重なりあうような場所であった。加えて市金工業社は下水処理膜・海水濾過膜の製造装置やリチウムイオン電池のフィルム製造装置等の環境に貢献した製品づくり、子どもの工場見学をはじめとした地域への貢献などSDGsへの取り組みを積極的に行っており、そうした企業理念を体現する工場としての在り方も同時に求められた。 このような立地と背景から、住と工の重なる地域の風景に馴染むような存在としてのやわらかな佇まいを持ち、太陽光や雨水・井水等の自然エネルギーを利用したサスティナブルで人や地域に優しい工場を目指した。

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